◇国産VHS HGの実力は如何に!◇

国産の有名VHSテープの性能は、はたして如何なるものか、と思い、改めて、テストパターンを交えて比較してみました。ただし、今回は趣向を変えてみました。ただ普通にVHSハイファイで記録して見比べても、その違いが分かりにくく、何処のテープで録っても、殆ど同じじゃないかというのが、正直な所でした。その理由として、VHS規格は、水平解像度が230本強しかないため、見比べが難しく、SNも同じHGタイプであれば、似通った結果がでました。

ということで高域まで記録再現できるS−VHS方式で記録して解像度を上げてやれば、限界性能が見えてくるのではないかと思い、VHS・HGテープを使ってS−VHS記録して、その性能を比較しようと思い、このページを作りました。VHSテープのS記録は、以前よくやりましたので、その画質レベルは、よく把握してますが、まだやったことのない方々やビギナーの方のために、実際どの程度の映像が得られるのか、ここで披露したいと思います。

興味ある方は、このページを、ご参考にしていただいて、遊び心を交えて是非お試し下さいませ。S記録の仕方は、検出孔を直接開けるか、S−VHSカセットにテープを入れ替えて録画します。そして再びVHSカセットに戻してやれば、完了です。いったんS記録してしまえば、検出孔は不要ですからVHSカセットでも問題なくS−VHS映像が堪能できます。またビクターから新機能としてS−VHS ETが発表されました。これはVHS HGテープを使って水平解像度400本とS並の画質を得ようという狙いです。この先ET記録ができるS−VHSデッキがラインナップされてくると思いますので、それもふまえて参考にしていただければいいかと思います。なお以下のテストは全てS−VHS標準モードで記録した物です。




<SONY T-60VHG H>
赤がひときわ目立つ、ソニー製VHSです。S−VHS記録をしてみての印象は、ノイズが少なく全体的の解像感は、オリジナルに近い印象を受けました。ただし本来のS−VHSに比べると幾分か色の密度感が少なく映像に遠近感が、やや不足気味といったところでしょうか、でも、これは、シビアな目で見てのことですから、普通に楽しむには、全く気にすることはありません。う〜んVHSには無いコントラストが魅力です。

水平解像度は390〜400本の間という所です。VHSの規格を上回り、輝度に十分余裕があることが伺えます。斜め解像度も優秀で400本を過ぎても楔の分離が確認でき潜在的な底力が確認できます。VHSにしておくのは、勿体ない気もします。ここから言えることは、細かいところまでの再現が要求されるS−VHS記録に対応しえる能力があるこが分かります。解像度的情報量では立派なS−VHSである。

マルチバーストでは、右端の4.2MHzまで再現できており、S−VHSの5MHz以上の再現能力が遺憾なく発揮されていることが推測できます。3MHz付近のモアレの出現が気になりますが、これは高級S−VHSテープでも、現れるので、マイナスイメージには、つながらなでしょう。むしろ、VHSテープで、ここまで再現できることは大したものです。

カラーバーの再現はVHS規格の、もっとも不得意とするところです。事実上0.5MHz以下しかない色帯域をどのように克するかが課題と言えます。高級テープでも、オリジナルの色には、ほど遠いS−VHSなのですが、当テープの実力は、悪くない結果が出ました。本来のS−VHSには少し及びませんが、素直な分離感を持ったカラーバーが確認できます。再生デッキによっても違いますので一概には語れませんが。

さすがに水平解像度400本になると、ディテールの浮き上がりが増し、けっして若くはない森高の素肌が露わになってくる。VHSでは、とてもじゃないですが、ここまで表現はできません。このテープの基本性能は、同メーカーのS−VHSに極めて近いといえます。よってS-VHS ETに十分対応しうる品質あることは間違いないでしょう


<maxell T-60HGX(B)Q>
日立マクセルの美しさ保存録りという名のVHS HGテープです。この商品も店頭でよく見る分類でしょう。当テープもSNの良いS−VHSを思わせる良質な絵を見せてくれましたが、よく見ると輪郭はクッキリしているものの、本来のS−VHSと比べると、ほんの少しざらついて見えます。でも全体の解像感は申し分なくVHSテープと言わない限り気がつかないでしょう。ディテールの浮き上がりも気持ちいいですね。

当テープも水平解像度は、400本付近であることが確認できました。こうしてVHSテープの解像度を見ると本当に性能は良いんだなと、つくづく思います。VHSの低い解像度では、このテープは宝の持ち腐れになってしまいます。とっまあ話はそれましたが、垂直、斜め共に十分合格点であることがいえます。

水平解像度と同様マルチバーストの再現性も優秀です。VHSで記録すると3MHz付近で縦線が見えなくなり情報量の少なさが目に付くのですが、当テープにS記録すると、気持ちいいくらい、端までクッキリ描かれているのが分かります。ただしW−VHSのSDモードのようなフラットではないことを付け加えさせて頂きます。ここがS−VHSとは異なります。

全体的に上手く再現されているが、緑とマぜンタの境界部分に、はみ出しが確認できる。でも、これはカラーバーの記録状態にもよるのかも知れない。実際の動画では、ほとんど分からないので、心配するほどのことはないでしょう。その他の色使いは普及価格帯のS−VHSテープに迫るクオリティーです。

解像度もそうですが、ノイズも少なくSNの良い、バランスのとれた映像です。SDからのダビングですが、極端な色層の変化もなく映像のキレも申し分ないです。メイクのファンデーションの乗りも確認できるし、目尻のしわも明確に映ってしまうのは立派。このテープもS-VHS ETに十分対応できるでしょう


<FUJIFILM T-60FHG F>
フジのHGタイプきれい録りです。S−VHS記録しても十分の再現能力で、SNも良くスタンダードにありがちな、ざらつきも少なく同ーメーカーのS−VHS録りに比べても、色あせない感動のVHSテープだ!近い将来ETが立ち上がったら本当に楽しみです。この映像を見るとVHSテープは昔に比べると、もの凄い進化を遂げていることが感じ取れる。本当に技術の固まりなんだなと思います。ただし、再生機のポテンシャルによって大きく変わって来るのは言うまでもない。

水平解像度は400本付近を指していて、ほぼ規格通りの情報量です。350本付近に、ちらちらノイズが乗っているが、実質的には問題ありません。斜め解像度も他のHG同様400本を越えても分離が確認できる。S−VHSとして記録しても十分の解像度が得られることが認められた。

当然のごとく、4.2MHzまで遺憾なく再現されるマルチバーストです。少しでも、あらを探してやろうと思い、目を凝らして見ているのですが、とくに、指摘するような問題点は見つけられないのが悔しいところ。もしこれが、プログレードなら、いろいろ注文つけたい所だが、なんせ低価格VHSテープなので、これ以上画質を要求するのは酷な気分に陥るのが正直なところ

カラーバーも色の境界からのはみ出しが少なく、ほぼ理想的な再現性が確認できる。普及価格帯のS−VHSテープとも見比べ比較したが、別段、劣っている印象はなく、当テープの基本性能が高いことが分かりました。VHS専用としては、オーバースペックに感じるし、何度も言うようですが、情報量の少ないVHSに甘んじて止まっている商品ではないことを強調したい

髪の毛一本一本を明確に描く高解像度はVHSテープであることを忘れさせてくれます。ワイド画面に映し出しても違和感なしで見られるのは立派。16:9にすると幾分か色ズレが確認できるが致命的ではなく、無視できるレベルであることは間違いないでしょう。通常エアチェックする分には全く問題ありません。


<TDK T-60HGR>
TDKテープの素性の良さは有名なところですが、当テープも例外ではないようです。輪郭が細く自然に浮き出るディテール、色の階調も満足いくレベル。本来のS−VHSに比べると、コントラストが浅めになるが、それは微々たるもので気になるものではないが、彩度の高い色や、輝度変化の少ない薄めの色が混じり合う場面での再現が苦手と見た。それ以外のメリハリのある映像ではS−VHSテープ追随するレベルにある

このテープもITEパターンで分かるとおり水平解像度は、400本を示している。斜め解像度も400本を軽くクリアし、S−VHSとしてのポテンシャルは十分あると言えます。

やはり当テープも端まで綺麗に再現されています。話はそれますがHi8とS−VHSは数値の上では、ほぼ互角ですがS−VHSはテープを選ばないということが言えます。このテストでも明らかになりましたが、低価格のVHSテープでも、これほどまでに綺麗に録れてしまうとは本当に、あっぱれS−VHS!20年間育まれ積み上げられてきた技術は伊達ではない。

このテープの場合は色も、けっこう綺麗に録れています。帯域幅の少なさを克服するごとく、色のはみ出しも少なく色使いもバランスがとれています。VHS記録の時とは明らかに差が出ています。基本的に色帯域は同じなのに色のキレが増すのは何故だろう。エンハンサーの役割も大きいかも知れない

解像度とSNのバランスのとれた映像で、美しい物は美しく描くタイプ。色のバランスも良く自然に近い。音質は低域から高域までが実にスムースで聞いていても心地よい。S-VHS ETで記録して本領を発揮 するだろう。



<Victor T-90HGE>
ビクターのHGタイプですが、このテープをS−VHS記録して分かったことがあります。う〜ん、こんな言い方していいのか迷ってしまうが、同メーカーのXGと何処が違うのと言いたい。画質レベルからいうと、ほとんど同じという表現しかできないのです。言い方を変えると当テープが良くできていると言った方が正解なのか・・・
何はともあれ、他メーカーのHGテープと比べても見劣りはしない良いテープです

水平解像度を表す縦の楔は400本を余裕で指している。斜めも良好、垂直解像度は走査線の数で決まってきますので、VHSで記録しようとS−VHSで記録しようと全く同じです。

マルチバーストでは、3MHzで格子状の疑信号モアレが目立つが4.2MHzまで記録されているのは気持ちいいです。

このクラスとしては比較的、綺麗な分類に入ります。ノイズも少なく色の境界も綺麗に分離しています。

ビクターのVHSは、なかなか良いです。本当はあまり良い方向へは予想していなかったのですが、予想に反し高品位な映像が確認できた。解像度も高いし、ノイズもよく押さえられている。ドロップアウトの量も多いほうではない。安心してS-VHS ET記録できるテープだ
最後に、このテストで感じたことは、VHSは本当に潜在的に優れているんだなと感じました。優劣を付けてランク付けをしようと思っていましたが、ここで紹介したテープは、それぞれ良いところがあり単純に優劣を付けることができないというのが正直なところでした。



<番外編>
『100円ショップのHG』

『実売、1本¥100』型番は、よく分からないのですが、ダイソーが扱っている「発注・ザ電気NO502」 という60分のハイグレードテープです。販売元は株式会社大創産業で原産国は中国です。1本100円なので 一見安いと思いますが、よくよく考えてみると60分ですから安くないですよね。せめてこれが120分 であればHGとしては格安なのですが

画質ですか?・・・それは、まあ、そこそこ、それなりに、とっ言っておきましょう。有名メーカーのスタンダード以上、ハイグレード未満といったところです。

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